人間には五感(聴覚、視覚、臭覚、味覚、触覚)という外界(以後環境といいます)認識機能があります。人間の五感で感知された周囲の環境のエネルギーは脳に伝わり、電気信号処理により自動的に画像(イメージ)や言語(数を含む)などに変換されます。この変換能力は天により授けられたもの(天与)だと思います。言語も天与のものだと考えています。最新の科学機器などを使って観測される様々なエネルギーも結局はすべて人間の五感での感知となり、最終的に脳内で変換された画像や言語になります。人間は五感で感知できるエネルギーしか画像や言語などに変換できず、環境すべてを認識することはできません。環境中に存在する可聴域以外の音、可視光以外の光、あらゆる電磁波など五感で感知できないものは認識できません。科学機器を使って感知し認識することは出来ますが、それでもまだ宇宙に存在するもののたった5%しか認識できていないそうです。また、人間の脳には変換処理能力の限界もあり、五感で感知できるエネルギーすべてを画像と言語に変換できているわけでもありません。変換処理時には「脳幹網様体賦活系(RAS)」と言われるフィルター機能のようなものが働いていて意識(無意識を含む)していることだけを処理しているそうです。
他にも多くの感覚機能(平衡感覚、本体感覚、時間感覚など)がありますが、脳幹の中の間脳というところに「松果体」といわれる部位があり、エネルギー感知機能を持ち、天のエネルギーを感知できる?(第六感)という説があり、そのようなこともあり得ると思います。あるいはすべての臓器や細胞が五感で感知できないエネルギーを感知しているのかもしれません。しかし、五感以外で感知したエネルギーが脳内で画像や言語などに変換されることは非常に稀です。どうしたら脳内で画像や言語などに変換できるようになるのかを知りたいとも思いました。もし変換できるようになれば、いわゆる天の声が聴こえるようになるのではないかと思います。
意識とは、五感で感知した周囲の環境のエネルギーが脳内で画像や言語などに変換されたものを、思考と感情という機能で認識(知覚)することだと考えています。画像、言語、思考、感情、意識などもすべてエネルギーの一種です。そしてその意識すべては阿頼耶識、アーカーシャ、ゼロ・ポイント・フィールド、空間の果ての二次元表面(膜?)などと呼ばれる場にエネルギーの一種である情報として記録されると言われています。その場に記録された情報をスピリチュアルではアカシックレコード(以後、私はアカシックという)といいます。
アカシックレコードは、ヒンズー教など古代文明から伝えられてきたもので、この宇宙のすべてを知っている記憶の場とされています。
量子力学のゼロ・ポイント・フィールド仮説では、この宇宙に普遍的に存在するゼロ・ポイント(量子真空)という場(フィールド)があり、そこにこの宇宙のすべての出来事のすべての情報が波動情報としてホログラム原理で記録されているという仮説です。
また、超弦(ひも)理論のホログラフィー原理では、空間の果てにある二次元の表面にある情報が実体であり、三次元空間はホログラフィーで投影されたイメージ(仮想現実)にすぎないということになるそうです。そして、二次元の表面には重力が存在しないので、重力が関わらない場合は決して情報は失われず、すべての情報が復元可能だそうです。古代から伝えられたアカシックと同じようなことを最新の科学仮説が語っています。
私は10年以上前からスピリチュアル本を読み始め、アカシックレコードのことも知っていいましたが、心底信じ切れてはいませんでした。スピリチュアル本ではアカシックレコードにアクセスするにはどうしたらよいかということを語っていますが、ごく一部の特殊な能力を持った人だけができることで、そんなことが私にできるとは思いませんでしたし、やろうとも思いませんでした。ここ数年で科学系の本も読むようになり、最新の科学仮説を知り、科学者たちがスピリチュアルと同じことを語っていることで、左脳で理解しスピリチュアルが語っていることが腑に落ちで信じられるようになりました。
私たちの意識すべてがアカシックに瞬時に記録されることについては、量子力学で検証された量子もつれによるものではないかと考えています。量子もつれは相互作用のある二つの量子がどんなに離れていても、観測により片方の状態が決まると、同時にもう片方の状態も決まるというものです。どんなに遠くに離れていたとしても同時に決まるということは、その情報伝達速度は光速よりも早いということになるようです。私たちの意識も量子的な効果により発生しているという量子意識仮説や量子脳理論などもあり、私たちがこの世で意識したことは、量子もつれにより同時にアカシックにも情報として記録されるとも考えられます。私はこの仮説があることで左脳で理解でき腑に落ちました。私たちは天により創造された天のエネルギーの一部ですので、同じく天のエネルギーの一部であるアカシックと相互作用があると考えられます。
また意識には、今この瞬間の思考と感情を自覚できる顕在意識と、過去の思考と感情が蓄積された潜在意識があります。顕在意識で思い出すことができる潜在意識はわずかであり、ほとんどは思い出すことができないままアカシックに記録されています。五感が常に自動的に感知する周囲の環境からエネルギーの一部は脳内で画像や言語などに変換されると同時に、アカシック内の自分の潜在意識内の過去の情報と照合され、同種の情報と反応し、瞬時に脳へ戻され無意識下でその時と同じ行動を取るよう指示します。このことは、脳科学で有名なリベット実験によれば、私たちが「こうしよう」と意識した0.2秒後に行動に移されるのですが、驚くことにその0.35秒前には脳から既に行動の指示(準備電位)が出ているそうです。私はその意識より前に脳が出している指示が潜在意識内での反応の結果だと考えています。よって私たちの顕在意識はその潜在意識からの指示を後から自らの意図だと錯覚していることになります。このことは脳科学や心理学で私たちには自由意志はないという決定論や受動意識仮説などで語られています。
そして意識の内、潜在意識が95%、顕在意識はわずか5%と言われています。つまり、自分の顕在意識と行動のほとんどは潜在意識からの自動的な反応(自動制御、以後オートパイロットという)の結果であり、顕在意識はほとんどそのことに気付いておらず、自分の意図によるものと錯覚しており、環境からのエネルギーにより引き起こされた新たな行動は結局のところ過去の思い出せない潜在意識の影響によるものとなります。潜在意識には生まれてからずっと周囲の環境から受けたものが記録されています。細胞生物学者のリプトン博士によれば、7歳までに潜在意識はプログラミング化され、その後は95%以上が無意識のうちに再生・実行しているだけだと語られています。また潜在意識の多くはネガティブな意識であるともされています。両親からの影響が最も大きいようですが、それは両親が自分の子供を危険から守り、社会に適合するために与えたものはどうしてもネガティブなものになってしまうからだと思います。生まれながらにして備わっている本能にも生存を脅かすものへの恐怖心もあります。この自分の潜在意識に記録され同種の情報が集積してより強化されたエネルギーのことを、先入観、固定概念、思い込み、決めつけ、信念、コアビリーフなど様々な表現がありますが、心理学では認知バイアスやアンコンシャス(無意識)バイアスと呼ばれていますが、私は各個人により異なる固有のものなので自己バイアスと呼ぶことにしました。それが個人の人格を作ります。自我やエゴとも言われているものです。
こうして私たちは、常に変化する環境(出来事・現実)の中で感知する様々なエネルギーに対して、自己バイアスからのオートパイロットによって無意識のうちに思考し感情を湧かせ行動しています。そして、その出来事が顕在意識で好ましくないものと認識されるのであれば、それはアカシックに記録された好ましくない潜在意識と反応したものとなります(もちろん逆もしかり)。好ましくない出来事に対応する時の思考、感情、行動はネガティブなものです。その時に生じるエネルギーはまた新たなネガティブな出来事の原因となります。つまり、顕在意識でそのことに気づき、その意識を選択し直さないと、変わらない現実が続いてしまうことになります。