富を「引き寄せる」科学的法則

次は成功哲学本の元祖と思われるウォレス・D・ワトルズのThe Science of Getting Rich(お金持ちになる科学)を取り上げます。原著は1910年に出版されたとのことですので、この後に取り上げる本よりも古いものであり、「思考は現実化する」のナポレオン・ヒルやその他の成功哲学本著者たちにも多大な影響を与えたと思われます。私はこの本のことを知らなかったのですが、また後で取り上げるボブ・プロクターの「イメージは物質化する」の中に何度か引用されていたので気になって、ネット検索しYouTubeで原著のオーディオブックに和訳のついたものを見て興味を覚え、Amazonで角川文庫から2008年に初版が出た山川夫妻が訳した『富を「引き寄せる」科学的法則』を購入して最近読んだばかりです。訳本は何冊かあるようなのですが、ロンダ・バーンの「ザ・シークレット」の訳者でもあり原文に忠実に訳したとあった山川夫妻の訳本を選びました。ワトルズは「ザ・シークレット」にも登場しています。最近読んだばかりなのですが、出版順の時系列にするため2番目に取り上げることにしました。

はじめに

(要約)
この本は理論の説明ではなく実用的な手引書です。まずお金持ちになることが先で、理論は後から学べばいいという人々のための本です。結論に至るまでの過程を気にしないで、良い結果を手に入れたい人、行動の基本として、科学的な結論を知りたい人々のために書いた本です。私の書いていることが正しいことだと信じてください。実行してみれば、その正しさを証明することができます。科学そのものなので失敗はありません。
理論を深く研究し信じるために理論的な根拠をが欲しい人には、同じことを言っている有名な思想家を紹介します。

と書かれており、その理論は「宇宙一元論(梵我一如?)」という元々はヒンズー教から始まった東洋哲学の基礎が、西洋社会へも受け入れられるようになったものとのこと。その理論を学びたいなら、デカルト、スピノザ、ライブニッツ、ショーペンハウエル、ヘーゲル、エマーソンらの思想家の本を読むことを勧めています。そして、この本に書かれていることは十分に実証され、実際に試されて効果があるという結果が出ているとも語っています。

「訳者あとがき」にも書かれていますが、ワトルズは「何々しなければならない」とたたみかけるように語り、この本以外のことは信じるなという態度で語ります。それだけの確信があるので読者に信じもらいたいという思いの表れだと感じました。
私がこのブログを立ち上げる前にまとめた「今、私が信じている真理」の根本的な部分が全く一致しており、今更ながらに読んでみて深い感銘を受けたと同時に、ますます私が信じている真理が間違っていないと改めて心強くなりました。でもやはり私としては、私もそうだったこともあり、信じるための理論も同時(先に?)に知っておかないと、心底信じ切ることは難しいのではないかと思います。この本は100年以上も前のものなので、最新の科学仮説はまだなかったこともあり、哲学者や思想家の考えを理論の元にせざるを得なかったことは仕方ないと思います。

第1章 お金持ちになる権利

(要約)
人間にとって生きる権利とは、心と魂と体を十分に開花させるために必要なものすべてを、自由に無制限に使うことのできる権利のことです。そして心と魂と体のそれぞれをバランスよく成長させることが重要です。そのためには物質的なものも必要であり、それを入手できる十分なお金を持つ権利があるということです。お金がなければ、心と魂と体それぞれを最大限に生かすことができないので、お金持ちになる科学を学ぶことは当然です。心を成長させるためには、知性を得るための書物を買って勉強したり、旅行をしたり、美術品を集めたりするためのお金が必要です。魂を成長させるためには、愛する人に何かしらを与えるためのお金が必要です。体を健康に保つためには、衣食住が満足している状態が必要ですし、過酷な労働からも解放されるためにお金が必要です。

お金持ちになることは決して悪いことではないし、心(意識)と魂と体(三位一体)をバランスよく成長させ、自分自身を最大限に生かすためにもお金は必要であることには同意します。現代ではお金がないという不安はとても大きく、ポジティブな意識を持ち続ける最大の敵だと思います。どうしたらお金持ちになれるのかというワトルズの科学を学びたいと思います。

第2章 お金持ちになるための科学

(要約)
これは科学であっていくつかの法則で成り立っています。お金や資産を所有するには、ある「確実な方法」に従って行動する必要があります。同じ原因は常に同じ結果を生むように、この確実な方法に従えば、誰もが必ずお金持ちになります。環境や才能によって決まるわけではありません。「あなたが一番好きなことを仕事にすると一番うまくゆく」ということは本当です。

ワトルズは科学なので因果律に従うと言いたいのだと思います。「確実な方法」に従って行動すれば、因果律によって誰でもお金持ちになれると強調しています。ではその「確実な方法」とは何でしょうか? また好きな仕事をするとうまくゆくという根拠はなんでしょうか? それらの原理や根拠を知らなければ信じることはできないと思います。

第3章 すべての人にチャンスはある

(要約)
この地球上で目にするものすべては「形のない物質(Formless Subustance)」からできています。新しい形のある物質が生まれ、古い形のある物質は消滅しています。しかし、形のあるものすべては一つのもの、「形のない物質」からできています。形のない物質は無尽蔵に存在します。目に見える宇宙も、目にみえない宇宙と宇宙の空間のすみずみにまで広がり、その空間を満たしています

これこそ、私が今信じている「すべては一つであり、天である」のことです。ワトルズの言う「形のない物質」こそが天のエネルギーのことです。この世で形のあるもの(目に見える物質)はすべて素粒子(量子)の集まりです。素粒子も天のエネルギー(波動)の一部であり、私たちに見えるようになるために粒(物質)になるのだと思います。アインシュタインがE=mc2で質量とエネルギーが等価であることを発表したのが1905年だそうですので、もしかするとワトルズも知っていたのかもしれません。でもワトルズは東洋哲学や西洋の哲学者や思想家の考えを元にしているとのことです。私は哲学には詳しくないのでワトルズが紹介した人の思想や理論についてはわかりませんが、アインシュタインから始まった新しい科学によって、過去の宗教や思想や哲学などの教えが現代科学によって証明されつつるのだと思います。また現在の宇宙物理学の仮説では、宇宙に存在する物質とエネルギーのうち、ダークマターが27%、ダークエネルギーが68%を占めているとなっており、私たちが知っている宇宙はわずか5%にしか過ぎないとことですので、私たちの知らないエネルギーが無尽蔵にあるとっても過言ではないと思います。そしてワトルズが語るように、あらゆるところすべてに遍く存在していると思います。

(要約)
自然は限りない豊かさの宝庫であり、その恵みはつきることはありません。形のない物質」は生きていて、創造のエネルギーを持ち、たえず多様な形を生み出しています。また知性も持っていて、思考しています。命あるものは常にその生を充実させたいと願っています。これは知性の自然な姿であり、宇宙に存在する形のあるものは「形のない、生きている物質」が望ましい形として生み出されたものなのです。宇宙は一つの大きな命をもった存在であり、常に生き生きとした生命活動と、より充実した機能を働かせるようとしています。自然は生命が進化し繁栄させるために神がつくったものですので、不足することのない豊かなものなのです。確実な方法」に従って考え行動すれば誰もが「形のない物質」という資源を自由に活用することができるのです。

ワトルズは本書のところどころに聖書を引用しており、キリスト教の影響も大きいようです。よって、「形のない物質」は神(創造主)のことであり、生きていると言い、知性を持ち思考していると語ります。神が望ましいと思考したものを物質化しているということになります。思考は(神が)現実化する(させる)」のだと思います。人間の思考も神()のエネルギーの一種であり、ワトルズのいう「確実な方法」により、が形のある物質を創りだしてくれるのだと思います。ではその「確実な方法」とは?

第4章 お金持ちなるための基本原則

形のない物質から目に見える富を作り出すことのできる唯一の力思考です。万物の源は思考する無形の物質です。この無形の物質の中に思い描かれた形が現実の形として生み出されるのです。「形のない物質」は自らの思考によって動きます。

神が形のあるものを思考すればそれを作りだし、神が動きを思考すれば動きを生み出しますとも語っています。そして運動する宇宙は神の思考により作り出され、地球の自然も神の思考により創造されたものであり、神の作った「成長と活動の法則」にしたがっているとのことです。ここから「形のない物質」は「思考する物質(Thinking Substance)」に変わります。この宇宙もすべてのものは神により創造されたものであるということで、私もそうだと信じています。宇宙も活動し膨張し続けているそうです。

(要約)
神だけではなく人間も思考ができます。人間が何か形にしたいものがあれば、まず自分の頭の中で思考します。そして自らの手で自然界に既に存在する形あるものを利用して作り出します。ただこれまでは、自分の思考を「形のない物質」にお願いして、新しいものを創造することまでは考えられませんでした。つまり神と共に働くということを知りませんでした。私はそれができるのだ、誰にでもそれができるのだということを証明し、そのやり方をお教えしたいと思います。まず最初に三つの基本的提案(真実)をします。
1.この世はたった一つの目に見えないものからできていて、すべてのものはこの同じ一つのものからできています。自然の中にあるあらゆるものは、ただ形が異なるだけなのです。
2.この目に見えないものは「思考する物質」で、そこに思考が伝えられると現実に形となってあらわれます。「思考する物質」の中の思考が形を生み出すのです。
3.人間も思考することができるので、その思考を「思考する物質」に伝えることができれば、自分が考えたものを「思考する物質」の助けを借りて作り出すことができるのです。

人間の思考エネルギーであり、常に天(の一部のアカシック)に伝わっています。人間が何かを望めば、その思考もアカシックに伝わり記録されます。しかしながら、欲しいものすべてを天が与えてはくれません。なぜでしょうか?「神と共に働くということ」とはアカシックからインスピレーションやイメージを得ることだと思いますが、そのためにはどうしたらよいのでしょうか? ワトルズは最新の科学仮説などを知らないはずなのに、量子力学がまだ生まれる前(ほぼ同時期?)から、すべてのものは同じ一つのもの、つまり素粒子からできていると語っているのだと思いますが、どうしてそのことを知り得たのかが不思議です。現在の科学では未だ素粒子のことをすべて解明できていません。素粒子にはいくつもの種類があるとのことですし、究極の素は弦(ひも)ではないとする超弦理論がありますが、あくまでも仮説の段階がそうです。また「思考する物質」は神(天)であり、その思考によって形のあるものが創られると語られますが、神(天)に思考(意図)があるかどうかはわからないと思いますし、私たちの思考(と感情の意識)も未だ科学ではすべて解明されていません。科学で解明されていないことを真理だと信じることは、現代人にとっては難しいことだと思います。私もそうでした。自分なりに真理を探究して、自分が信じられる真理を知っていなければ、ワトルズの語る三つの基本的提案(真実)を心底信じることはできないのではないでしょうか?

(要約)
「確実な方法」に従って考え行動すれば、誰でもお金持ちになれると言いました。思い通りにするためには、まず思い通りに考える必要があります。しかし、見えるものだけにとらわれると、それにまどわされて「真実」を見失ってしまいます。目に見える世界の現象は、見る人の頭の中にそのことが正しいという思いを生み出します。たとえば目に見える病気や貧困を見れば、それが真実と思ってしまいます。病気の時に健康を考えたり、貧困の時に豊かさを考えることは難しく、多大な努力が必要です。目に見えるものにとらわれず、すべてのものは同じ一つの「思考する物質」からできているという真実を思考しなればなりません。そして人間は思考を「思考する物質」に伝えることができれば、それを形あるものとして生み出すことができるという原則を信じなければなりません。

病気や貧困も元をたどれば、その人がそうなる思考や行動を多分無意識にしたことが原因だと思います。思考する物質は私たちの思考を形あるものに創ることができるそうなので、私たちは病気や貧困の元になる思考をしてはいけないということだと思います。天は絶対であり、ポジティブもネガティブも関係ありませんので、ネガティブな思考をすればそれが実現します。豊かになるという願望を天に叶えてもらうには、豊かさ以外の思考をしてはいけないと言うことになります。しかし、この世は相対性であり、人間はポジティブもネガティブもさまざまな思考をずっと無意識に続けており、それらはアカシックにすべて記録されています。その中からどの思考を形あるものにするかは天の采配だと思っています。そもそも願望とは今は未だそうではないということが前提ですので、その「ない」という思考が現実化してしまいます。また思い通りに考える必要があると語られていますが、これは目に見える世界(この世)の現象は瞬時にアカシック内(あの世)に蓄積された潜在意識(自己バイアス)と照合され、同種の思考が無意識下でのオートパイロットにより顕在意識に戻されるので、それは思い通り(自由意志)の思考ではないということだと理解しました。私たちの思考が「思考する物質(天)」に伝われば、形あるもの(望んだ結果)を生み出すことができるという原則を信じなさいと語りますが、先にどうしてそうなるのか?というその原則の理論(原理や根拠)を理解しなければ信じられないと思います。信じるには、潜在意識(自己バイアス)にそれが真実(真理)であるということがなければならないと思います。

第5章 もっと豊かに、もっと幸せに

(要約)
神はあなたの中に存在しています。神とは意識を持って<生きている物質>です。神はすべての知的生命にその命を増大させて欲しいという願望を持っています。生きることとは機能を働かせることであり、肉体的、精神的、霊的な持てる機能をバランスよく発揮させることによって、充実した人生を送ることができます。神はあなたを豊かにし、世界中の人々が真実に目覚める手助けをすることを望んでいます。神は私たちが自分を犠牲にすることなど望んでいません。神が望んでいるのは、あなたが自分自身のために、そして他の人々のために、自分自身を最大限に活用することです。神の望みは、わたしたち全員のためのものなのです。他の人々から何かを奪い取ったり、競争して勝ち取る必要はありません。神はすべての人々に、平等に豊かさと命の繁栄を与えてくれます。あなたは競争者ではなく、創造者になるように生まれているのです。

この世のすべてのものは「神=思考する物質」(天のエネルギー)から作られており、天のエネルギーは宇宙全体に充満しています。天のエネルギー(の一部であるアカシック)の中の思考のエネルギーが形態を変えてこの世のものを創り出していると思います。人の思考がアカシック内の似た思考と反応して、それを生み出すことができることもあるという「真実(真理)」を私も信じています。そして「世界中の人々が真実に目覚める手助けをすることを望んでいます。」を実践したいと思いこのブログを立ち上げました。私たちも神(天)のエネルギーの一部でできていて、天に内包されており、天の意識とはのことで私たちの肉体に宿っていると思います。そしてその魂は天と繋がっています。天は個々の人間それぞれが「思い通り」に生きられるようにされています。ただこの「思い通り」が問題なのです。決定論的に言えば、私たちの意識はほとんどがアカシックからの無意識下のオートパイロットによるものですので、本当の自分自身の思い(自由意志)ではないことが多いからです。何度も言いますが、天は絶対でポジティブもネガティブもありません。ただ私たちが意識したことをその通りに実現させる手助けをされているのだと思います。ネガティブな意識はネガティブな現実を引き寄せることになりますので、競争というネガティブな意識ではなく、創造というポジティブな意識を持つことが大切だと思います。

第6章 富はどこからやってくるのか

(要約)
不公正な取引をしてはいけない。あなたが受け取る以上のものを与えなさい。代価にまさる「利用価値」を提供することができます。そうすれば、取引をするたびに、あなたは世界中の人々の生活を向上させているのです。神はあなたの思考を実現させようとはしますが、欲しい物がすぐに空中からひとりでに現れるわけではありません。欲しいものがあれば、まず頭の中にそのイメージをはっきりと描きましょう。それが今作られている、私の元に運ばれてくる途中であると、できるだけ強い確信を持って、心の中に生き生きとイメージします。いったんその思いを確立したら、それがやってくることを絶対的に無条件に信じますすでに自分のものだと宣言してください。そうすれば、神はあらゆるものに働きかけてあなたの望みを叶えてくれます。神はすべてのものと連携を取りながら、すべてに影響を与えることができるということを忘れないでください。

後にナポレオン・ヒルが「プラスアルファの魔法」という概念の元になった考えや、思考(イメージ)は現実化することを信念をもって確信するという成功哲学の基本がここにあります。天のエネルギーはその一部を私たちが物質と認識できるものに変換することもできます。ただし、それは天が決めること(天の采配)であり、私たちが望んだものすべてを必ず創ってくれるわけではないと思っています。天にお願いして、願望を少しでも現実化するためのノウハウが成功哲学だと思います。この世は相対性なので必ず欲しいもの(今はないもの)を思い浮かべても、無意識のうちに本当に手に入るのだろうかと心配や疑いが生まれてしまいます。天(あの世)は絶対なので「ある」も「ない」もありません。もし潜在意識の中に「ない」という思いが強ければ、天はその「ない」を叶えてくれてしまいます。信念(自己バイアス)の中にこれが真理だというものがなければなりませんし、成功哲学が語るポジティブシンキングのようなノウハウが多くの人によって長年語り継がれてきたことが正しいのだと思います。それを実践し続けるためには、まずワトルズが語る真実が本当に真理であるということを、自らが気づき信じなければならないと思います。

第7章 感謝の気持ち

(要約)
自分が欲しいものを神に伝えたら、神の思いと調和し結びつかなければなりません。そのための「確実な方法」とは、心からの深い「感謝」の気持ちを抱くことです。感謝に満ちた態度は神の近くへと引き寄せてくれます。「感謝の法則」とは、自分が行う行為は、必ずそれと同じだけの反作用となって自分に返ってくるという自然の法則です。強い感謝の気持ちを常に持ち続ければ、神からも強い反作用が働き続け、あなたの望むものがもたらされます。私たちの中にある創造力は、私たちが意識を向けているもののイメージを私たちの中に作り出します。感謝の心は常に最良なものに向けられています。そのため最良のものを受け取るようになるのです。感謝の気持ちを持てば、心に信仰が生まれます。信仰がなければ、創造的な方法で豊かになることができません。いつも感謝するよう習慣づけましょう。

ここで「感謝」というもう一つの成功哲学やスピリチュアルの基本が追加されました。「確実な方法」とは「感謝」でした。作用反作用の法則という自然法則によって、深い感謝(作用)は天からの反作用の力も深くなるので、願望実現に有効なのだと言うことは理解できます。2013年2月に発行されたロンダ・バーンの『ザ・マジック』や2017年3月に発行されたパム・クラウドの『「感謝」で思考は現実になる』などでも「感謝」の力について語られています。しかし、常に強い感謝の気持ちを持ち続けることはとても難しいことです。この世では良いことと悪いことが必ずあります。良いことがあれば感謝できますが、悪いことがあっても感謝できる人はいるのでしょうか? どうして悪いことが起こるのかというその原因を知り、ネガティブな意識をポジティブな意識に変えなければなりません。やはり、どうして常に感謝の心を持ち続けなければならないのかということの原理と根拠を先に知っている必要があると思います。感謝が習慣となり信仰(信念)になるためには、先に腑に落ちて信じられるようになっていなければならないと思います。その情報が潜在意識に記録されいる必要があると考えています。そのことを自分で考えて気づかなければならないと思います。

第8章 確実な方法で考える

(要約)
自分がはっきりと理解していないものを人に伝えることはできません。欲しいものがあれば、そのもののイメージを明確に、かつ具体的に、頭の中に描かなければなりません。あなたの望みを神に伝える時には、筋道の通った文章で伝えなければなりません。イメージをより明確に、具体的に作りあげ、それを思い続けるほど、願望はますます強くなります。そうすれば、集中する努力もできるようになります。

ここで成功哲学の基本である、明確なイメージの重要性が追加されます。より明確で具体的なイメージを持つことができれば、それは強い願望となり、より現実化し易くなります。私はこれまでこの明確なイメージを描くことを難しく感じていましたし、実際に描くことができていなかったから現実化していないのだと思います。今はこのブログで私なりの考えをアウトプットすることが、どなたかに少しでも真理に気づくお手伝いになるという明確なイメージを持つことができました。また天の思いに調和するのではないかとも思います。ただし、この世では願望には必ずその逆の意識も無意識に生まれてしまいますので注意が必要です。

(要約)
明確なイメージを持つだけでは十分ではありません。それを実現し、目に見える形にする決意も必要です。決意には、それはすでに自分のものであるという、ゆるぎない、確固とした信仰がなければなりません。それはすぐ近くにあって、あとはそれを所有するだけなのだと確信してください。そして感謝の気持ちを忘れないでください。それが現実のものとなった時に抱くであろう感謝の気持ちを常に持ち続けてください。まだ想像の段階でしか所有していないものに対して、心から神に感謝できる人には本物の信仰があります。だからといって何回も何回も毎日毎日祈る必要はありません。神に願いを祈るのではなく、決意と確信を持ってビジョンを保ち続けることです。ビジョンが明確になれば、次が受け取る番です。信仰と強い決意を持って想像するという意志の力を正しく使う方法を次にお教えします。

ここでは成功哲学の重要な要素である決意と確信が追加されます。欲しいものをすでに所有しているという想像力が持てることは信仰(心底信じていること)であるとのことです。信仰とは自分の意識が出来事を引き寄せる原因となるということ(引き寄せの法則)を信じられているかということです。そしてこの世は相対であり必ずポジティブとネガティブが存在することを知っていなければならないと思います。この信仰(信念、自己バイアス)が潜在意識にあれば、ポジティブな意識がそのビジョンをオートパイロットで引き寄せることができるという決意が生まれ、いずれ実現するという確信が持てるようになると思います。ではネガティブな結果を引き寄せた時などにどうやってこの意志の力(自由意志)を使うのかという方法を教えていただきましょう。

第9章 意志の力の正しい使い方

(要約)
科学的な方法を使ってお金持ちになろうと思ったら、あなたの意志の力を自分以外の人やものに行使してはいけません。他人を思いどうりに動かそうとするのは誤りです。何を考え、何をすべきかがわかったなら、自分自身が正しく行動するためにだけ自分の意志の力を使ってください。「確実な方法」に従って思考し、行動するために意志力を使ってください。信仰と決意を強く持続することは、前向きの願望だけを<宇宙>に送ることができるからです。神はあなたの願望のイメージを受け取り、それをはるか彼方まで広めます。そして生きているもの、命なきもの、まだ創り出されていないものまでが、あなたの欲するものを作り出すために動き出します。様々な人々の気持ちが、あなたの欲求を満たすために必要なことを行う方向へと、影響を受け始めます。そして人々は無意識にあなたのために働くのです。しかし、もし、あなたが宇宙に否定的な気持ちを伝えると、この動きは止まってしまいます。逆もまたしかりなのです。何に注意を向けるかは、あなたの意思によって決まります。

願望が明確になり、決意と確信を持ったなら、その実現のために意志の力(自由意志)でポジティブな選択だけをして、行動しなさいということだと思います。また神はあらゆるものに働きかけることができるので、自分自身の潜在意識だけではなく、他者の潜在意識(集合的無意識)、そして神の創造力までも駆使することができるとも語っています。私は自由意志が原因となり、その結果には天の采配が加味されると考えています。天の采配は天のみぞ知ることなので私たちにはわからないと思います。私たちにできることはポジティブな意識を持続させることであり、それは自由意志の力でしかできないことだと思います。

(要約)
疑い、不信、懸念、不安、心配、貧困、病気、罪などの否定的な気持ちを抱いてはなりません。貧困を解決するのは、貧しい人たちの心に豊かな生活のイメージを植え付けることなのです。恵まれない人々が必要としているのは施しではありません。心に響く励ましが必要です。インスピレーションを与えれば、彼らも自らの意志で「確実な方法」に従って行動するようになります。世の中の人々に、競争ではなく、「創造力」を働かせることによって豊かになることを教えてあげなければなりません。まずあなたが豊かになって、彼らもまた豊かになれるのだということを示しなさい。

ネガティブなことに意識を向けてはいけません。貧困をなくすには、施しではなく、自らが「お金持ちになる科学」の「確実な方法」に従えば豊かになれるということを実証することで彼らに気づきを与えることであるとのことです。私もそうしたいと思います。

第10章 意志の力を強くする方法

(要約)
外から来るものであれ、想像のものであれ、豊かさとは逆のもののイメージに注意を向けていては、正しく明確な富のビジョンを持ち続けることはできません。たしかに、現状には不愉快な状況も沢山あるかもしれません。しかし、それが確実に過去のものとなろうとしている時、それに関心を持っても消え去るのを遅らせるだけです。すべてのものごとの中にかくされている真実を見ることを学ばなければなりません。見た目にはどんなに悪く見えることの中にも、「偉大なただひとつの命」つまり神の力が、より完璧な発現と、より完璧な幸せを成就させるために動き続けていることを知ってください。あなた自身が神と人類に奉仕できる最大の方法は、あなたが豊かになることです。それも競争的な方法ではなく、創造的な方法でお金持ちになればのことですが。

とにかくネガティブなものに意識を向けてはいけないということです。ネガティブな意識はネガティブなものを引き寄せます。もちろんこの世からネガティブなものを無くすことはできません。この世は相対の世界ですので必ずネガティブなものも存在します。すべてのものに隠されている真実とは、この世の真理つまり引き寄せの法則のことだと思います。自分で考えて引き寄せの法則の原理と根拠に気づき理解し信じられるようになっていなければならないと思います。ネガティブなことをポジティブなことに変える選択をするには、ネガティブなことの原因が何かに気づく必要があります。そしてここでこれまでの三つの真実に四つ目が加えられました。

4.そうするためには、競争をやめて創造的な思考へと跳躍する必要があります。まず、自分が望むもののイメージをはっきりと描きます。そして、不動の決意とゆるぎない信念を持って、そのビジョンを持ち続けます。そして、その決意をゆるがせ、ビジョンを希薄にし、信念を危うくするようなものに対しては、関心を持ってはなりません。

第11章 「確実な方法」に従って行動する

(要約)
あなたの思考が生物も無生物も仕事もすべてを創り出します。あなたの望みを満たすためにすべてを創造するのです。しかし、あなたはあなたのなすべきことをきちんと行って、それがあなたのもとに来た時に、しっかりと受け取れるようにしなくてはなりません。ものが生み出される過程を指図したり管理するのはあなたの役目ではありません。実際にそれが自分のもとへと届く時に、それを受け取り、適当な場所に置くためには、あなたは「確実な方法」で行動しなければなりません。思考と行動が一致して働かなくてはならないのです。今やっていることに全霊を注ぎましょう。今の仕事や現在の職場で行動しなければいけません。そして、今の環境の中で出会う人々やものごとに対して働きかけるのです。今日すべきことをしっかりと行ってください。今、自分のしている仕事を一生懸命にやっていれば、いずれ必ず自分の欲する仕事につくことができるでしょう。過去に行動することはできませんし、未来に行動することもできません。今、行動してください。

思考が創造を促し、天の采配によって創られ、それを受け取れる行動をしていることで、現実化するということです。思考するだけではなく、「確実な方法」に従って行動する必要もあるのです。つまり望むものをイメージし、必ず実現するという信念を抱き、実現することへの感謝の気持ちを持ち続けながら、今の環境でできることに一生懸命取り組むことです。行動は今しか出来ません。過去を悔んだり、未来を心配しても仕方ありません。そして望むものがどのように創造されるかという過程については意識を向けてはいけません。それは天の役割、天の仕事です。いつ、どうやって実現するかを気にしてはいけません。結果に執着せず、今できることに集中することです。そして五つ目の真実が加えられました。現在の環境で人とものに働きかけるとは、信念をもって今やるべきこと、今できることを一生懸命にただ行うことです。その意識と行動のエネルギーは天(アカシック)に届き、同じ信念のものと反応して天がこの世にもたらしてくれるのだと思います。

5.もたらされるものを確実に受け取るためには、現在の自分の環境の中で、人とものとに働きかけななければなりません。

第12章 効率よく行動する

(要約)
どんな生物も自分がもっている場所からはみ出るほど大きくならなければ、新しい種は生まれてこなかったことでしょう。この法則はあなたにも同じように働きます。今いる場所での役割を十分に果たしましょう。一日一日が成功するか、失敗するかのどちらかです。もし今日やらなければならなかったことをやらなければ失敗です。そのことがどんな結果を招くかは、前もってはわかりません。あなたのために「神の偉大な力」があらゆるものごとや人間関係をどのような組み合わせで用意しているかはわからないからです。だからといって、あせって次の日のぶんまでやってしまうのはやめましょう。いかに多くの仕事をしたかが大切なのではなく、それぞれの活動の効率が問題なのです。効率の良い行動はそれ自体が成功です。ビジョンをしっかりと保持し、全力で信念と決意をこめた行動は、すべて力強く効率的です。四つ目の真実を少し変更します

4.そうするためには、競争をやめて、創造的な思考を用いるようにしなければなりません。まず、自分が望むもののイメージをはっきりと描きます。そして、確固たる決意とゆるぎない信念を持って、毎日、その日にできることはすべてその日のうちに、しかも効率よくしなければなりません。

生物の突然変異による進化が法則と語っているのでしょうか? 私は生物の進化にも天の采配があると思います。この世での環境の変化との相互作用のエネルギーがアカシックのエネルギーと反応して進化に影響を与えるのではないかと思います。結果には原因に天の采配が加味されると考えています。原因(意識と行動のエネルギー)がアカシックでどの似たエネルギーと反応するかは天の采配です。アカシックには似たようなエネルギーが膨大にあると思います。その中のどのエネルギーと反応するかは私たちにはわかりません。そしてエネルギーは波動ですので同じ波長と周波数のものと共振・同調します。位相が合えば強め合い、ズレれば弱め合います。よって、天が何をどう創造するかはわからないことなので、天にお任せするしかないと思います。だから、日常の小さな出来事を潜在意識(自己バイアス)による自動操縦(オートパイロット)のまま(無意識のうち)にしてしまうのではなく、顕在意識の自由意志でどうすべきかをよく考えて行動する必要があるということだと思います。それが効率の良い行動になると思います。意識を良い環境に向けるだけでその環境へ移れるわけではなく、今のこの瞬間に自由意志で選択した行動をとる必要があるのだと思います。先延ばしにしてはならないということだと思います。

第13章 最適な仕事を見つける

(要約)
どんな仕事においても成功するかしないかの鍵はその仕事に必要な能力です。あなたの頭脳が持つ能力はあなたの道具です。その知的な道具を有効活用しましょう。好きな仕事であれば、その道具を活かせます。やりたいと思うことはやりとげる力があるということです。あせらず、本当にやりたいと思える仕事に出会えるまで、今の環境は成長するための手段と考え毎日やるべきことをしっかりとやりましょう。すべてを知っている神の心は、あなたが深く感謝する時、信仰と前進しようという決意によって、あなたはこの神の心とひとつに通いあうことができます。

好きだからやりたいと思える仕事であれば、自分の能力が活かせ、成功する可能性は高いと思います。しかし、様々な理由でそうではない仕事をしている人も多いと思います。本当に好きでやりたいと思える仕事を見つけるためには、今どんな仕事であろうとも一生懸命にやっていれば、天が見てくれているので、その良い行動は環境を移行することを助けてくれるエネルギーになるのだと思います。どんな仕事も一生懸命にやっていれば、その遂行能力も向上します。稲盛和夫さんも「自分の好きな仕事を求めるよりも、与えられた仕事を好きになることから始めよ」と語られていました。

第14章 繁栄の法則

(要約)
仕事を変えるか、変えないかは別として、今している仕事を一生懸命にして下さい。今まで積みあげてきた仕事をこれからも日々「確実な方法」で行い、今の仕事を建設的に利用することによって、あなたは本当にしたい仕事につくことができます。人とかかわる仕事であれば、相手の心に「繁栄の感覚」を伝えることがとても大切です。繁栄はすべての人が求めているものです。繁栄は宇宙の本質であり、自然界すべてのものの中に存在しています。人間が豊かになりたいという願望を持つことは最も根源的な本能であるため、人々はより豊かな生活手段を与えてくれる人に魅力を感じるのです。この感覚を伝えるためには、あなた自身が「豊かになりつつある」というゆるぎない感覚を持ち、この信念をあなたの行動のすべてにゆきわたらせなければなりません。そうすれば、万物の繁栄を望む神が、あなたのことを知らなかった人たちをあなたの元へと向かわせて下さるでしょう。ひとつだけ注意しなければならないことがあります。知らぬ間に忍び寄る他人を支配したいという誘惑に乗ってはいけません。人を支配したいという気持ちは競争心であり、創造的な心ではありません。競争心には気をつけましょう。

天は人間だけに言葉と意識(思考と感情)という能力を授けてくださりました。私たちは無意識のうちに思考し感情を抱いてしまいます。そして繁栄したい(幸福になりたい)という願望は誰もが持っていると思います。これも天与なのではないかと思います。しかし、この世は相対の世界で必ず対極があります。「~したい、~になりたい」という顕在意識は無意識のうちに潜在意識の「~できていない、~ではない」というこれまでの現実と反応してしまいます。ワトルズは「豊かになりつつある」という感覚を持ちなさいと語りますが、その感覚が信念となるには、やはり自ら真理を探究し、自分なりに真理に気づき、それが自分のものとして腑に落ち信じられるようになることが、なによりも先だと思っています。ワトルズ語る五つの真実・要旨(真理)の原理と根拠を理解すれば、自己啓発本や成功哲学本で語られている様々なノウハウが本当に有効であると信じられるようになるため、実践し継続することができるようになると思います。私はこのブログを見てくれた人に、自分なりの真理に気づいてくれるお手伝いができれば、その人の繁栄に貢献できるのではないかと思っています。

第15章 前向きな人になる

(要約)
どんな職業や仕事においてでも、繁栄の感覚を人に与えれば、引力の法則のように確実に、神の力によって望むものが引き寄せられます。あなたが接するすべての人が、あなたが発する繁栄の強いオーラを感じるほどに、決意と確信を持ち続けなさい。あなたに接する人々もその影響を受け、自分自身もまた前向きになり繫栄するという感覚を得るでしょう。すると、いろいろな人があなたに引きつけられてくるでしょう。この宇宙には、すべてのものは前向きの人のためにあり、その人を豊かにするために、すべてが協力して働くという性質があります。「確実な方法」に従い、思考し、行動すれば、誰でも必ず豊かになれるのです。

量子論者には人の思考や感情はバイオフォトンという光子(量子、素粒子の一つ)であり、身体から放射されているという人もいます。それがオーラと言われるものだと思います。機嫌が良い人でも、悪い人でも、一緒にいればその機嫌がうつることは事実です。お互いのバイオフォトンの波動が共振してしまうからです。しかし、思考と感情は自己バイアスからのオートパイロットによって無意識にコントロールされていることがほとんどです。前向き(ポジティブ)な、繁栄の強いオーラを出すためには、自由意志の力で自己バイアスをポジティブなものに変えなければなりません。そのノウハウの数々は自己啓発本や成功哲学本に書かれていることを実践することだと思います。人類が意識を持ち始めてから長い間に語り継がれてきたことでもあり、その効果は間違いないと思います。ただ何度も申し上げる通り、何よりも先に気づかなければならないことは、どうしてそうなるのか?という原理と根拠だと思います。

第16章 いくつかの注意点

この章は私が意訳してみます。ワトルズの意向をまとめた感じです。

多くの人々は豊かになるための科学があると言っても信じようとはしません。彼らは富の供給は限られていると思い込んでいます。社会体制や政府のせいにしています。これは間違った考えです。それは彼らがこの「確実な方法」を知らないからです。富に限りがあると思えば競争原理が働き、多くの人々が敗者となり、一部の勝者だけが富を独り占めにします。創造性を使ったこの「確実な方法」の実践は、富は無限であることを知り、全員が豊かになります。そして、この「確実な方法」を実践した人は、自分が模範となり、他の人々に気づきを与え、自分もこの「確実な方法」を実践してみようと思うようになるでしょう。ただし、過去を悔んだり、未来を心配してはいけません。今この瞬間にやるべきことをやりましょう。確信を持って、決意を保持し、感謝の心で、「確実な方法」を実践し続けるならば、失敗と思われるようなことがあっても挫けず、その後に訪れるより大きな成功を勝ち取ることができます。そして多くの人々が実践するようになれば、神が喜び、この世は楽園に変わります。では、最後に「確実な方法」(真実)についてまとめておきます。

私は初めてこのワトルズのお金持ちになる科学を読んだ時に、それ以前に読んでいた自己啓発本や成功哲学本で語られていることの元になるような基本的なエッセンスをうまくまとめてあるなと思いました。後に出版された成功哲学本への影響も大きかったのではないかと思います。ワトルズ自身も語っているようにこの本は実用的な手引書であり科学的な結論を書いたものであると、そして理論の説明ではなく、理論は紹介した思想家の本を読んでくださいとあります。また他の自己啓発本も成功哲学本もその理論についてはあまり詳しくは触れていません。私は「どうしてそうなか?」という原理と根拠がわからなかったため、腑に落ちず、心底信じきれていませんでした。やはり先にその真理の原理と根拠に気づくことが重要だと考えます。真理は自分で考えて気づくものだと思います。すべての根本法則は「引き寄せの法則」であり、その原理と根拠を自ら探究して気づくことで、腑に落とすことができ、心底信じられるようになると思います。信じられると言うことは信念・信仰となります。過去の潜在意識を上書きすることになると思います。

第17章 まとめ

この章も私が簡単に要約して、私の真理からも読み解いてみました。

1.この世に存在するすべてのものは「思考する物質」つまり神によって創られている。「思考する物質」はこの宇宙のすみずみにまで広がり充満している。

この世に存在するものすべては唯一無二の天のエネルギーの一部である。エネルギーは波動であり常に振動している。この世の物質は天のエネルギーの一部が形態を変え集積したものである。そして天のエネルギーはこの世を包含し遍く存在している。

2.「思考する物質」(神、宇宙)の中に生まれる思考は、思い描いたとおりのものを作り出す。

天はそのエネルギーの一部をあらゆる物質に変えることができる。

3.人はさまざまなものを考え、それを宇宙へと発信することによってそれを形あるものとして生み出すことができる。

人の思考と感情(意識)も天のエネルギーの一部であり、天のエネルギー(波動)と共振・同調して、天がそのエネルギーを物質化させることがある。

4.そうすには、競争をやめて、創造的な思考を用いなければなりません。そうすれば、宇宙と力を合わせることができる。

天は絶対であり、ポジティブやネガティブといった相対はない。この世での競争は限りがあるというネガティブな意識であり、天はその通りに私たちがネガティブと感じるものを創造してくれる。ポジティブなものを望むのであれば、創造的な限りはないという意識を持たなければならない。

5.宇宙と完全に一体となるためには、その恩恵に常に深い感謝の気持ちを持つことが必要です。感謝によって人は宇宙の叡智と繋がり、創造的な思考ができるようになり、宇宙がそれを受け取ります。

私たちは各個人の身体に宿った魂で天と繋がっている。魂(深層意識)は常に天の情報保管場所(アカシック)にこの世の情報を送信して記録してもらっている。送信されたこの世の情報はアカシックに記録されている情報と反応(共振・同調)して私たち各個人に戻される。その戻された情報によって私たちに新しい意識が生まれている。つまり、この世でのポジティブやネガティブな意識はアカシックで同種のエネルギーと反応した情報によるものである。感謝という意識(思考と感情)はこの世で最もポジティブなものでエネルギーが高く、アカシックで反応して戻される意識は波の位相が合って振幅が増大しエネルギーもより強くなって戻されるので、この世でさらに大きなエネルギーとなる。

6.私たちは、自分が望むことを正確で明瞭なイメージを描かなければなりません。そのイメージを持ち続け、神が叶えてくれることに感謝の気持ちも持ち続ける必要があります。豊かになるには、そのビジョンを深く抱き、同時に既に叶えられつつあることにも感謝します。ゆるぎない確信と心底からの感謝の気持ちを持ちながら、常に心の中にイメージを描き続けることで、そのイメージが宇宙に発信され神の創造力が発揮されます。

望むことがあればその内容を明確にする必要があり、また必ず神(天)が叶えてくれるという信仰(信念)も持っていなければならない。この世は相対なので必ず対極の意識も存在する。願望とは未だ叶っていないことであり、つまり今はそうではないという意識も無意識のうちに生まれて潜在意識に記録され、アカシックにも届く。どちらの意識が反応するかはわからない。そのため、願望を実現する確率を上げるにはそれが既に叶っているというイメージ(意識)を描き、叶えてくれる天に先に感謝の気持ちを送ることが重要となる。ポジティブな意識がネガティブな意識よりもエネルギー量が多く強い方が反応し易くなる。願望は顕在意識で生まれるが、その対極の意識は無意識のうちに潜在意識に生まれる。5%の顕在意識では弱すぎるので、95%の潜在意識の中にも天は必ず願望の実現に力を貸してくれるという信仰(信念)を入れておく必要もある。信仰とは信じられるものであり、自分が心底信じらえる真理のことである。よってその真理を持っていなければならない。

7.創造的なエネルギー(神の力)はすでにこの世に存在しているものに働きかけ、望んだものはその流通経路を通ってもたらせれます。

この世に存在しているものすべては天のエネルギーの一部であり、私たちの願望もこの世のものとして実現する。天がこの世のものの何に働きかけ実現してくれるかは天の役割(采配)であり、私たちにはわからないことなので、願望を天に届けたらいつどのようにして実現してくえるかということに拘ってはならない。天にお任せすること。

8.望んだことがもたらされた時に、それを受け取るためには次の行動が必要です。第一に今の仕事に全力を尽くしてやり遂げること、第二に望んだことを実現するという決意を持ち続けること、第三に毎日その日にできることをすべて行うこと、第四に一つひとつの行動を効率よく成功させること、第五に自分が受け取る代金よりも大きな価値をすべての人に与え、その人の人生がより豊かになるようすること、第六に常に前向きな姿勢を保ち、それが接する人々にも必ず伝わるようにすること

願望(ポジティブ)が実現(結果)するかどうかは私たちの意識と行動(原因)に天の采配が加味されるので、私たちにはいつどのようにして実現するのか、あるいは実現しないのかはわからない。この世では必ず存在する対極(ネガティブ)のエネルギーを上回るエネルギーが必要。そのためには、願望実現のために今できることをやり続けるしかない。決してネガティブな意識を持たず、ポジティブな意識を持ち続けなければならない。結果に執着したり、心配したり、疑ったりしてはならない。

9.以上を実行すれば、誰でも必ず豊かになります。そしてあなたが受け取る豊かさは、イメージの正確さ、決意のかたさ、信仰の強さ、感謝の深さに正確に比例します。

この本書かれていることは実証済みの科学なので、書かれていることを信じて実践すること。ただ心底信じきれない人はその理論(原理と根拠)を自ら探究して気づかなければならない。最初に紹介した思想家たちの教えを学んだり、現代なら科学で解明されつつあるエネルギーや意識についての理論などを学ばなければならない。そして、この本に書かれていることが真理であると腑に落ちて心底信じられるようになることが先である。

各章に関連する質問

この章は各章の内容を復習するために、著者がいくつかの質問を投げかけてきます。回答するには自分で考えなければならないので有効な方法だと思いました。是非試してみてください。

この本で成功哲学のエッセンスがすべて網羅されいると言っても過言ではないでしょう。私としてはその科学(理論の原理と根拠)も必要であると思っていますが、ただ100年以上の前の本なので、最新の科学仮説はまだありませんでしたし、東洋哲学や西洋の哲学者や思想家たちの理論を元にせざるを得なかったということです。この後に出版された成功哲学本やスピリチュアル本でもこの本が紹介されていますので、影響力は大きかったと思います。ただし私のように自己啓発本、成功哲学本、スピリチュアル本で語られている基本的な法則(引き寄せの法則)がどうしてそうなのか?と腑に落ちず、心底信じきれない人は、やはりその理論(原理と根拠)について自ら探究して真理であると信じられるようになることが先だと思います。自分ではポジティブな意識を心がけているつもりでも、この世は相対なので無意識に生まれるネガティブな意識の方が知らぬ間に強くなり、願望が実現しなくなってしまいます。私は無意識(潜在意識)に引き寄せの法則の原理と根拠を理解した上で信じられるようになった信念(自己バイアス)があることが重要だと考えています。

この次は成功哲学の正にエッセンスだけの「イット・ワークス」を取り上げます。

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