7冊目はスティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣」(The Seven Habits of Highly Effective People)にチャレンジしてみます。「7つの習慣」の原著は1989年に出版されました。発売以来、世界中で年間百万冊が売れ、累計では三千万冊以上たと言われています。日本国内でも200万人以上に読まれているそうです。私は最初にジェームス・J・スキナー氏と川西茂氏が日本語訳した副題に「成功には原則があった!」を読みました。もういつ読んだか忘れましたが日本でキングベアー社から出版されて直ぐだったと思います。それまで読んできた「自己啓発本」や「成功哲学本」の中で最も強く影響を受けた本でした。コヴィー博士が「7つの習慣」の中で提唱した私的成功のための原則に基づいた手帳であるフランクリン・コヴィー社のフランクリン・プランナーというシステム手帳も使い始めたほどです。しかしながら、その後10年以上も自分自身の私的成功ができず、手帳も他のものにしたり、スピリチュアル系の本をよく読むようになってしまいました。
そして2015年に「完訳 7つの習慣」(副題は人格主義の回復)フランクリン・コヴィー・ジャパン訳が出版されたので改めて購入し読み直しました。また感化され、そして手帳もフランクリン・プランナー戻し今でも使っています。それから早いものでもう8年も経過しましたが、私はといえば相変わらず成功には程遠い状況です。もちろん、ミッションステートメントを作り、価値観を整理し、役割を検討し、優先順位を決めて、毎年目標を立ててやってきました。それなのにどうして成功しないのかわかりませんでした。自分では理解し実践しているつもりでしたが、結果が出ないとやはりネガティブな思考に陥ってしまいます。たまたま昨年から科学系の本も読むようになり、主に宇宙論や量子論の最新の仮説に触れて、20年以上にわたってたくさんのスピリチュアル系の本を読んで理解したつもりの共通する概念と結びついたことで、自分なりに真理とは何かということが腑に落ちた気がしたのです。それで再度「7つの習慣」を自分なりに理解した真理と照らし合わせて読みながら、どうして結果が出ないのかその原因を検討してみたいと思います。
この本は多くの方が読まれており、また関連書籍や解説本なども多くあると思いますので、本文の引用は極力せず、エッセンスに対しての私なりの読み解き方をしてみたいと思います。
第一部 パラダイムと原則
インサイド・アウト
コヴィー博士は成功をテーマにした書籍を200年さかのぼって調べたそうです。150年間は原則を中心とした人格を重視していたので「人格主義」であったが、その後は人間関係や自己PRを主としたもの(デール・カーネギー?)と、積極的な心構えや思い信じれば達成できるといった(ナポレオン・ヒル?)二つのアプローチがメインとなった「個性主義」であると批判的です。人格主義が基本であり、個性主義的なノウハウやテクニックはその次にくる二次的な要素であるとのこと。だから「人を動かす」や「思考は現実化する」を読んでもうまくいかないのか?、ではどんな人格になれば良いのか?、またどうやったらその人格を築けるのか?を改めて読み解いて学び直したいと思います。
「パラダイム」とは、物事をどう認識し、理解し、解釈しているかである。
人間は外界を五感というセンサーで感知し、脳という処理装置で画像と言語に変換し、思考と感情という機能で認識・理解・解釈した意識を潜在意識に自動的に記録します。その蓄積されたもののことがパラダイムだと思います。私はパラダイムを自己バイアスといいます。
私たちは個人個人の経験による条件づけ(思い込み)により、ものの見方(パラダイム)に無意識のうちに影響を与え続けられてきた。よって、「私たちは、世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままに世界を見ている」つまり「自分自身が条件づけされた状態で世界を見ている」ことであり、「自分自身の経験のレンズを通して見て、同じ絵に対して違う見方をする」のである。そしてパラダイムが私たちの態度と行動を決めている。
各個人の潜在意識に蓄積された記録の多くを占める同じようなパラダイム(自己バイアス)が態度と行動を決めている(オートパイロット)ので、自分の現状が好ましくないものであるならば、自分のパラダイムを変えなければならない、「パラダイムシフト」を起こさなければならないということです。コヴィー博士は人格主義から個人主義へのパラダイムシフトが、真の成功と幸福を育む根っこを引き抜いてしまったとも語っています。
パラダイムシフトはアハ体験のように瞬時に起こることも、「ゆっくりと、困難にぶつかりながらも意図的なプロセスによってもたらされるもの」もあり、「どう見るか(パラダイム)と、どうあるか(人格)は強い相関関係で結ばれていて、あり方を変えずに見方を変えることはできない。その逆もまたしかり」。そして人格を向上させるには「原則中心のパラダイム」を持つことであり、原則とは普遍的にして絶対的な法則であり真理であり、すべての人間の内面に必ず存在しているものである。
私なりに読み解くと、パラダイムシフトを起こすには、いやパラダイムシフトとは、真理を悟ること、原則や絶対法則を自ら深く理解し、そして心底信じ切ることだと思います。真理(原則、法則を含む)は天の創造物であり、この世界(この世)の摂理です。真理を悟るには、ジェームス・アレンが「原因と結果の法則」で語ったように、自ら深く理解しようと探究し続けることで、ある瞬間にそういうことかと腑に落ちて、心底信じられるようになると思います。求め続けなければ得られないものです。成功(願望実現)に絶対に必要な前提条件であると思います。私は現在自分なりに真理を悟ったと思っており、それが本当の真理かどうかはわかりませんが、少なくとも自分でそう思えて信じられることが必要だと思います。これが最重要ポイントだと思います。「成功哲学本」が必須条件であると語っている「願望が実現するという確信(信念)を持つ」や「願望が実現したイメージを描く」ことは、そのことが本当に重要なことであると信じられなければ、実践し続けることは出来ません。私が真理だと信じたことは前に書きましたが、それは「引き寄せの法則」がこの世の摂理だというです。
「成長と変化の原則(プロセスの原則)」でコヴィー博士は何事にも順序があり、人格の向上にもそのプロセスには重要なステップがあり省略することは出来ないが、そのことが腑に落ちなかったり、理解し実践することが難しく、近道を探して個性主義のテクニックに引き寄せられてしまうが、結局はうまくいかない。また自分の娘との話を例にあげて所有を経験しなければ、真の分かち合いを理解することはできない。とも語っています。応急処置や対処療法(個性主義のこと)にたよっていては原因となっている病巣は悪化するばかりである。そして多くの人が個性主義ではうまくいかないことに気づき始めており、長期的なプロセスが必要な原則に基づいた人格主義を求め始めている。
近年の個性主義の蔓延により短期的にはうまくいったが、いまや様々な問題が解決されず、多くの人が個性主義的成功哲学ではうまくいかないということに気づき始めているので、原則中心のパラダイムである人格主義にシフトしなければならないということです。
「7つの習慣」とは、この新しいレベルの思考である。原則を中心に据え、人格を土台とし、インサイド・アウト(内から外へ)のアプローチによって、個人の成長、効果的な人間関係を実現しようという思考である。インサイド・アウトとは、一言で言えば、自分自身の内面から始めるという意味である。内面のもっとも奥深くにあるパラダイム、人格、動機を見つめることから始めるのである。公的成功の前に私的成功をしなければならない、私的成功とは自分自身を制し、自分との約束を守ることである。
私なりにまとめると、これから述べる「7つの習慣」の必要性と重要性を説いた前提を説明する章であり、人はそれぞれ異なったパラダイム(自己バイアス)を持っており、そのパラダイムが自己の行動につながり、現状を招いており(「引き寄せの法則」)、うまくいかない現状であれば、パラダイムシフト(真理を悟る)を起こさなければならない。個人主義に基づいた成功哲学から影響を受けたパラダイムではうまくいかないことが露呈したので、原則中心の人格主義を実践することであるということだと思います。つまり、自己バイアス(パラダイム)が今の自分を作っているという真理(「引き寄せの法則」)に気づき、心底理解し、信じられるようにならなければならないと思います。
7つの習慣とは
私たちの人格は、習慣の総体である。 習慣の引力は非常に強く、ちょとやそっとの意志の力では悪い習慣を断ち切ることができないが、逆に良い習慣を身につければ人格を向上させる強い力となる。
コヴィー博士は習慣によって人格が形成されるとのことですが、「原因と結果の法則」の著者ジェームス・アレンは「人格は私たちがめぐらしているあらゆる思いの完璧な総和です。」と語っており、要するに習慣とは、現在の外界からの刺激に対して無意識のうちに潜在意識に蓄積されたあらゆる記録の中の同種のものと反応し同じ行動につながってしまうので同じことを繰り返してしまうということです。自己バイアスによるオートパイロットです。そして行動の集積が人格となります。
本書では、知識、スキル、意欲の三つが交わる部分を習慣と定義したい。
効果的な習慣を身につけるにはこの三つすべてが必要である。
真理(引き寄せの法則)を悟り(知識)、引き寄せの法則を使い(スキル)、必ず願望を実現(成功)させるという信念を抱く(意欲)ことで、習慣(自己バイアスによるオートパイロット)を変えることができるということだと思います。
「7つの習慣」は、依存状態から自立し、そして相互依存状態へと至るための段階を踏んだ成長の連続体である。私的成功から公的成功へ、インサイド・アウトのアプローチである。また「7つの習慣」は効果性を高めるための習慣でもある。自然の法則に従った効果性のパラダイムを「P/PCバランス」と呼ぶ。効果性とは成果(Production)と能力(Production Capability)の二つの要素から成り立っており、望む結果を得るためには能力が必須であり、この二つのバランスがとれることが効果性である。
「7つの習慣」を実践することで能力を向上させれば望む結果が得られる。そう信じて改めて実践したいと思います。P/PCバランスは「原因と結果の法則」とも言えるとも思います。原因がそれに見合った結果を生むという法則です。ただし、その結果がどれほどのものになるかは原因だけではなく天の采配が加味されると私は考えています。
第二部 私的成功
第一の習慣:主体的である:パーソナル・ビジョンの原則
「自覚」とは自分自身の思考プロセスを考えることのできる能力なのである。自覚があれば、人は自分の経験だけではなく他者の経験からも学ぶことができる。そして、習慣を身につけるのも、断ち切るのも、自覚という能力のなせるわざなのである。人間だけが持つ自覚という能力を働かせれば、私たちは自分のパラダイムを客観的に見つめ、それらが原則に基づいたパラダイムなのか、それとも自分が置かれた状況や条件づけの結果なのかを判断できるのである。
「引き寄せの法則」により願望を実現するためには、潜在意識の中のネガティブな自己バイアスをポジティブなものに変換するか(まだ具体的な方法はわかりませんが)、あるいはポジティブな顕在意識を維持して潜在意識に追加記録し続けてネガティブな記録の量を凌駕するしかないと今のところ考えています。わずか1割以下の顕在意識で9割以上の潜在意識の中の自己バイアスからの習慣的で無意識な行動(オートパイロット)をコントロールすることは至難の業だと思います。顕在意識でオートパイロットに気づくことができる唯一の能力が、コヴィー博士の語る「自覚」の力であり、無意識の思考を一旦止めて、今自分が何を思考していたのかを客観的に認識することです。
コヴィー博士は遺伝子的、心理的、環境的な三つの決定論が広く社会に受け入れられいると語ります。特定の刺激に対して特定の反応を示すように条件づけられていると。
生まれてからずっと外界からの刺激にたいする自己の反応はアカシックに記録し続けており、それが自己バイアスとなり、新たな刺激はそれに自動的に反応して習慣的に無意識に行動(オートパイロット)し続けてしまっています。私はこれを宿命と考えています。いつ、どこで、誰の元に生まれたかは自分で決めたことではありません。いや前世の続きをあの世で決めて転生してきたというスピリチュアルな考えもありますが、自分が生まれた時代とその環境(家庭と社会)の影響を無条件に受けてしまいます。しかし、自分なりに真理を悟り、「自覚」により、どうしてその習慣的な行動をとってしまうのだろうと気づくことができれば、顕在意識で反応を選択し行動を変えることもできると思います。運命は自らの手で変えることができると信じます。コヴィー博士はユダヤ人心理学者のフランクルを取り上げて「人間の最後の自由」である刺激と反応の間には選択の自由があるという原則を語ります。哲学・心理学的にいえば自由意志のことです。人間特有の四つの能力として、自覚、想像、良心、意志をあげ、それらの能力を駆使することで、条件づけられた習慣的な行動を変えることができるとのこと。このことを私は30年ぐらい前に読んで知っていたはずなのですが、未だに成功を手にしていないということは、完全には自覚できておらず結局は自己バイアスの影響を受けていたことか、自由意志で選択したと思っていたことが間違っていたということかのいずれかです。これから改めて自覚し直したいと思います。
主体性(Proactivity)とは、自発的に率先して行動することだけを意味するのではなく、人間として自分の人生の責任を引き受けることも意味する。責任(Responsibility)はレスポンス(反応)とアビリティ(能力)が合わさった言葉であり、反応を選択する能力を意味する。
主体的であるとは、刺激と反応の間に選択の自由があり、その自由を人間特有の四つの能力を使って、自らが良かれと判断したものを選択し、自己責任で行動する決意ができることであると思います。またその結果がうまくいこうがいくまいが受け入れる責任も伴います。逆に反応的であるとは、自己バイアスからのオートパイロットに気づかずそれが自分の意志決定であると錯覚し、決定論を言い訳にしていることになり、それでは自分の人生に責任が持てません。現状が望ましくないものであるならば、その責任は自分にあります。真理(引き寄せの法則)を理解すれば納得できます。それに気づけば自己バイアスからのオートパイロットをコントロールすることができるようになると思います。これから実践します。
そして環境からの影響をただ受ける立場から、率先して環境へ影響を及ぼす立場に変わる決意をする必要もあります。それには自分でコントロールできること(影響の輪)とできないこと(関心の輪)を認識し、コントロールできることに集中する。直接コントロールできる領域は第1から第3までの私的成功の習慣を身につけることであり、間接的にコントロールできる領域は第4から第6までの公的成功の習慣を身につけることである。コントロールできない問題に対しては、態度を根本的に改めて受け入れるしかない。
自分でコントロールできることは自分自身の顕在意識(思考と感情)を自覚により認識して、自由意志で選択し直して行動を変えることだけです。コントロールできないことについては、その存在理由を真理に照らし合わせて理解するしかないし、存在は認めつつもとりあえず放置するしかないと思います。自覚し選択し行動することが率先力を発揮することであり、それにより外界へ影響を及ぼすことができるのだと思います。
関心の輪は、「持つ(have)」という所有の概念であふれている。自分の人生をコントロールし、「ある(be)」ことに、自分のあり方に意識を向け、働きかけることで、周りの状況に強い影響を与えられる。
「xxを持っていたら・・・」ということは今は持っていないという事実を潜在意識に記録させてしまいます。反対に、「私はxxである」ということは既にそうなっているという記録になります。
「私たちには行動を選択する自由がある。しかしその行動の結果を選択する自由はない。結果は自然の法則に支配されている。結果は影響の輪の外にある。」
他人に対する自分の行動の結果もまたコントロールできないことの一つであり、天の采配であると受け入れる。「引き寄せの法則」(「原因と結果の法則」と「思考は現実化する」も同じ)です。私たちがこの世で選択した行動(思考の結果)が原因であり、そのエネルギーはアカシックの同種のエネルギーと共振し、この世に引き寄せられ現象化(物質化)し結果となります。アカシックには自己バイアスだけではなく他者の自己バイアス(集合的無意識)も含め天が宇宙を創造して以来の全ての出来事が記録されているので、どのエネルギーと共振して現象化(物質化)するかは私たちにはわかりません。これが天の采配です。私はことのことを以下の式で表現しています。
「E=gC」 E(effect) = g(god) x C(cause)
結果=(神)天の采配x原因
人間だけに授けられた自覚と良心という能力を使えば、自分の弱点、改善すべき点、伸ばすことのできる才能、変えるべき行動、やめなければならないことを意識することができる。そして、これらの自覚に実際に取り組むためには、やはり想像と意志を働かせ、自分に約束し、目標を立て、それを必ず守る。こうして強い人格や人としての強さを築き、人生のすべてをポジティブにするのだ。
やはり、自己バイアスからのオートパイロット(決定論)に自覚という能力で気づき、良心(原則)に基づいた選択をし、想像力でどうありたいのかという目標を立てて、自由意志で行動するということが唯一のポジティブ化の方法なのかもしれません。
第2の習慣:終わりを思い描くことから始める:パーソナル・リーダーシップの原則
自分の葬儀の場面を思い描くことで、自分の内面の奥深くにある基本的な価値観に触れるはずだ。 自分にとって本当に大切なものは何か、それを知るには終わりを思い描くことから始める。目的地をはっきりさせてから一歩を踏み出すことができる。
自己バイアスの中には価値観という自分が大切に思っていることがあります。それを顕在意識で正確に認識することは難しい。自分の葬儀で参列者に何と言われたいか?を考えてみました。「自分のやりたいことをやり通したことで、結果的に他者への貢献にもなった人」ということでした。自分のやりたい(できる)ことは、30年以上携わってきた業界での経験と実績で同じ業界の人々に貢献することと、真理の探究で学んだことをアウトプット(このブログ)して他者にも真理に気づくきっかけを提供することです。まず本当はどうありたい(be)のか、そのためには何ができる(do)のか、それで結果的に何が得られる(have)のかを考えました。be→do→haveの順番が大切だと思います。これまでは逆の順番(have→do→be)だと思っていました。何が欲しいか(have)を考えるこことは、それを持っていないということを潜在意識に記録してしまいますので叶いません。どうあるか(be)を決めることは潜在意識にとっては時間の概念がないので既にそうなのだと記録されるので同じエネルギーと共振しやすいので叶いやすいと思います。
第2の習慣はすべてのものは二度つくられるという原則に基づいている。すべてのものは、まず頭の中で創造され、次に実際にかたちのあるものとして創造される。第一の創造は知的創造、そして第二の創造は物的創造である。 第一の創造はリーダーシップ(何を達成したいかを考える)で、第二の創造はマネジメント(達成するための手段を考える)である。
第一の習慣で主体的であること、つまり自己バイアスからのオートパイロットに自覚という能力で気づいて、反応を自由意志で選択し直すことを学びました。この第二の習慣では自分が本当に望む最終目的地を決めることの重要性を学びました。その最終目的地が原則に基づいたものであるかを確認するには「コンパス(方向を示す原則)」が必要と語ります。コンパスとは何のことでしょうか?
私たちは遺伝子的、心理的、環境的な三つの決定論によって、他者から与えられた脚本に従って生活している。その脚本を書き直すよりもむしろ、原則と調和した脚本(ミッションステートメント)を新たに書き起こすことがリーダーシップである。
ミッションステートメントとは、信条あるいは理念を表明したものである。個人のミッションステートメントには、どのような人間になりたいのか(人格)、何をしたいのか(貢献、功績)、そしてそれらの土台となる価値観と原則を書く。ミッションステートメントを書くときには、まず自分の影響の輪の中心から始めなければならない。自分の人生の中心に置くもの何であれ、それは安定、指針、知恵、力の源になる。人は誰でも自分の中心を持っている。普段はその中心を意識していないし、その中心が人生のすべての側面に大きな影響を及ぼしていることにも気づいていない。安定、指針、知恵、力の源の四つの要素を見つめて自分の中心は何かを認識する。そしてその中心が何であろうと原則を中心に置いてみる。そして、ミッションステートメントを書くときは、脳全体を使うこと、右脳と左脳の機能が異なるので、右脳が得意なイメージ機能を用いてイメージトレーニング(シミュレーション)すること、それを論理機能が得意な左脳で言語化する。また人生における様々な自分の役割も明確にして、それぞれの役割毎にも達成したい目標を立てることで全体のバランスをとることができる。
ミッションステートメントはアファメーションとも言えます。重要なことは、私はxxxである(be)。私はxxxをする(do)。そして私はxxxを得ている(have)と現在形で書くことだと思います。またミッションステートメントを書く前に、真理を探究して自分なりの理解を信じることも重要だと思います。自分の価値観が原則に基づいているかを確認して記載し、be、do、haveを明確にして、そうなったことをイメージして言葉で表現することです。これがコンパス?になるのではないかと思います。私も新たに書き起こしたいと思います。
第3の習慣:最優先事項を優先する:パーソナル・マネジメントの原則
第3の習慣は、第2の習慣で書いたミッションステートメントを実践するための物的創造の習慣であり、自分自身を効果的にマネジメント(セルフコントロール)することです。そのためには意志の力が重要です。環境からの刺激にたいして自己バイアスからの反応(オートパイロット)に自覚という能力で気づき、自由意志で反応を選択し変えられるようにするためのノウハウです。
コヴィー博士は時間管理の第四世代では、緊急ではないが重要な領域(第Ⅱ領域)にあることを最優先させることが大切であると語ります。時間を管理するのではなく、自分自身を管理する(セルフコントロール)こととのことです。そのためには緊急でも重要ではない領域のことで人に任せられることは任せる(デリゲーションする)ことを勧めています。
このノウハウはナカバヤシ株式会社から販売されているフランクリンプランナーというシステム手帳に実装されていますので使うことをお勧めします。私も使っています。ただこれまでは真理(原則や法則)を深く理解しておらず、腑に落ちていなかったので、真に主体的になることができなかったため、表面的にこのノウハウを利用しているだけで、結局は自己バイアスからのオートパイロットに従ってしまっていたので、望む結果が得られなかったと思います。価値観/ミッションと目標のページを新たに書き差し替えたいと思います。
自分自身をマネジメントする方法については、著書に書かれた通りであり、また多くの関連書籍も出版されていますので、参考にされてください。私は自分なりにセルフコントロールするためのルーツとして、フランクリンプランナーの目標リフィルで目標と計画を立て、マンスリーとウィークリーのリフィルを実行、評価、改善のために利用しています。
第三部 公的成功
相互依存のパラダイム
(要約)
信頼口座とは、人と人の関係で生まれる信頼をお金のように貯えたり引き出したりすることを銀行口座に例えたもの。信頼を預け入れるには、相手を理解する、小さなことを気遣う、約束を守る、期待を明確にする、誠実さを示すなどがあり、引き出してしまったときには心から謝る必要がある。
無条件の愛を預け入れると相手は認められたと感じ安心して、協力・貢献・自制・誠実という人生の法則に従い、自分の中の潜在能力を発揮するようになる。
こうして人と人との間に相互依存の関係が築かれると、何か問題があった時にでも協力して解決することができる。
公的成功の基本的なパラダイムであり、私的成功を成し遂げた自立した人でなければ公的成功の習慣を身につけることはできない。
この世は一人では生きていけません。家族、学校、職場、地域社会などで他者との関係を避けることはできません。また一人だけの力では大きな成功を達成することも難しいです。コヴィー博士のいう相互依存のパラダイムを共有できる人たちとの協力関係があればいかなる成功の達成にも大きな影響があるでしょう。第4の習慣からの三つの公的成功への習慣を学び実践したいと思います。
コヴィー博士によればデール・カーネギーの「人を動かす」も個性主義の本なのなかもしれまん。しかし「人を動かす」に書かれていた対人関係の原則の数々はその通りだと思いましたし、ノウハウとしては素晴らしいものだと思います。でも確かに、私的成功の習慣により人格を磨きまず自分が真に自立した人間になることが重要であるということには触れられていなかったと思います。ノウハウの実践だけではやはりその場限りの影響しかなく、長期的な関係や真のパートナーしての関係を築くことはでいないと思います。やはりまずは私的成功(第一から第三までの習慣を実践し人格を磨くこと)を成し遂げた後に対人関係の習慣を身につけなければならないと思います。
人間関係についてはスピリチュアルと最新科学仮説から読み解くというよりも、その通りだと思いますので、学んだことを実践できるように努力したいと思います。ただやはり根底には「引き寄せの法則」の真理は働いていますので、各個人の意識(思考と感情)の波動はアカシックに記録されますし、アカシック内で似た波動と共振しますので、他者の意識の波動への影響もあると思います。またナポレオン・ヒルやプロクターも語っていた通り、人と人との間でも波動の直接の交信があり得るとも思います。
第4の習慣:Win-Winを考える:人間関係におけるリーダーシップの原則
人間関係には以下の六つのパラダイムがある。
・自分も勝ち、相手も勝つ(Win-Win)
・自分が勝ち、相手は負ける(Win-Lose)
・自分が負けて、相手が勝つ(Lose-Win)
・自分も負けて、相手も負ける(Lose-Lose)
・自分が勝つ(Win)
・自分も勝ち、相手も勝つ、それが無理なら取引しないことに合意する(Win-Win or No Deal)
ほとんどの人は「自分が勝ち、相手は負ける」というパラダイムを持っているが、どのパラダイムが良いかはその時の状況による。しかし、「自分も勝ち、相手も勝つ」(Win-Win)のパラダイムを目指すべきである。
Win-Winには以下の五つの側面がある。
・人格:誠実、成熟(勇気と思いやり)、豊かさマインド
・人間関係:信頼口座に残高がたっぷりある
・協定:望む成果、ガイドライン、リソース、アカウンタビリティ(報告義務)、評価の結果
・システム:市場で競争するためには社内には協力体制を築けるシステムが必要
・プロセス:相手の視点に立つ、問題点と関心事を見極める、結果を明確にする、新しい選択肢を見つける
ワトルズは競争せずとも、創造的な方法で神の協力を得ることができると語っていました。何事も「引き寄せの法則」の真理に基づいています。自分のポジティブな波動が相手のポジティブな波動と共鳴・同調するような思考と感情を顕在意識で維持することが大切だと思います。
第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される:共感によるコミュニケーションの原則
Win-Winの関係を築くには自分のことを相手にも理解してもらわなければならないが、多くの人は自叙伝(自分のパラダイム=自己バイアス)を通して相手を見ており、本当に相手のことを理解することはできない。まず自分が自叙伝を捨てて、相手を理解しなければならない。そのためには私的成功による人格という土台が必須であり、共感による傾聴で相手との信頼口座にたっぷりと預け入れをしなければならない。相手との人間関係が築かれれば、やっと相手も他者を本当に理解しようという気になる。
「共感による傾聴」とは、まず相手を理解しようと聴くことであり、相手の身になって(相手のパラダイムを理解する)聴くことである。人の動機になるのは、満たされていない欲求だけなので、相手が何を求めているかを理解すること。
以上、私なりの要約です。学んだことを実践したいと思います。
ただ「共感による傾聴」を実践することは非常に難しいと思います。相手のパラダイムを理解するとコヴィー博士は語りますが、自分のパラダイム(自己バイアス)さえ自分で理解すること自体が難しいことなので、まずは私的成功を成し遂げることが必須だと思います。何事も「引き寄せの法則」の真理に基づいていますので、まずは自分がポジティブな意識の波動を出すことではないでしょうか?
第6の習慣:シナジーを創り出す:創造的協力の原則
三人寄れば文殊の知恵、マスターマインド、シナジー、要するに人間関係において相互依存関係が構築できていれば、一つのことに複数人が協力しあうことで人数分以上の成果を得られることです。相互依存関係があるということは、各人が私的成功を成し遂げている、つまり自立しており、他者とのパラダイムの違いを認め受け入れられている状態でなければならないということであり、そういう状態であれば、お互いに異なる意見を尊重することで化学反応をおこして奇跡的な第三案を創り出すことができます。確かにその通りだとは思いますが、私的成功すら達成することはとても難しいことだと思いますので、私的成功を成し遂げた人たちが集まることはさらに難しいと思います。ポジティブな意識で天のエネルギーと共振することで、天の采配により、ポジティブな人との縁を頂けることがあるのかもしれません。
第四部 再新再生
第7の習慣:刃を研ぐ:バランスのとれた再新再生の原則
第7の習慣は個人のPC(成果を生み出す能力)である。人間の四つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)の刃をバランスよく研ぎ、再新再生させるための習慣である。時間管理マトリックスの第二領域の活動である。再新再生は、成長と変化を繰り返しながら、螺旋階段を登るようにして自分自身を継続的に高めていく原則である。
成長の螺旋
人は天から与えられた体と心と魂の三つでできていると思っています。体はこの世で天のエネルギーが物質化したものであり、脳もその一部で外界のエネルギーを画像と言語に変換する機能を持っています。心は意識のことで思考と感情という機能を持っています。魂は顕在意識では認識できないのですが、私は命そのものであり、天と常に繋がっているエネルギーのことだと思います。コヴィー博士の四つの側面の肉体的側面はまさしく「体」のことであり、外界からの刺激(入力)を処理する脳を含め健康で物理的に正常に機能していることが重要です。精神的側面、知的側面、社会・情緒的側面の三つともは「心(意識)」の機能であり、意識は「魂」を介して常に天(アカシック)と交信していますので、「引き寄せの法則」によりアカシックの同じ波動と共振してまた意識に戻ってきます。コヴィー博士の語る「自覚」という能力でその意識を客観視して、自由意志でより良い選択をすることが成長するために重要だと思います。より良い選択をするためには、真理を探究(学ぶ)し「引き寄せの法則(真理)」の根拠を理解して、信じ(決意)ることで、自由意志で何を選択(実行)すべきかを知ることだと思います。
再び、インサイド・アウト
私たちは両親からの強い影響を受けています。物心ついてからずっと両親の言動を受け取り、無意識のうちにそのまま潜在意識に刷り込まれて(記録されて)います。それは自己バイアスの多くを占めています。そして私たちは自分の子供に対しても同様に大きな影響を与えます。多くの人は両親から真理について教わっていないと思います。両親の多くも真理について理解していないからだと思います。私の両親も私もそうでした。また世間常識(学校教育や社会通念など)というものも無意識のうちに記録されています。そして自己の経験による思考と感情(顕在意識)も自動的に記録されます。それらすべてがパラダイム(自己バイアス)となり、私たちの行動を自動制御(オートパイロット)しています。この真理に気づき潜在意識の記録(アカシックの一部)も他者や世界や宇宙のすべても創造主である天のエネルギーであるという真理に自らの探究により気づくこと、腑に落ちて心底信じられることではじめてパラダイム(自己バイアス)を変えることができるようになると思います。
コヴィー博士は友人のワーナー博士の言葉を借りて「流れを変える人」になることだと語られています。以下、この本の最後にコヴィー博士が語っていることを引用します。
根本的な変化はインサイド・アウトから始まるものである。葉っぱだけをいじくる応急処置的な個性主義のテクニックで態度や行動だけを変えればすむものではない。根っこに働きかけなければならないのだ。自分の根本的な考え方を見つめ、自分の人格を形成し、世界を見るときのレンズとなっているパラダイムを変えなければ、本当の変化は生まれない。このことを哲学者のアンリ・フレデリック・アミエルは次のように表現している。「人間は道徳的真理を頭で考え、理解することができる。感覚的にとらえることもできる。そのとおりに生きようと決意することもできる。しかし、ここまでして理解し身につけたつもりでも、道徳的真理は私たちの手からするりと逃げていくことがある。意識よりももっと深いところに、私たち人間の存在そのもの、人間の実体、本質があるからである。この一番奥の場所まで到達して自分自身と一体とになり、随意的にも不随意的にも、あるいは意識的にも無意識的にもできるようになった真理だけが、本当に自分のものとなる。つまり単なる所有のレベルを超えたものとなるのである。真理と自分自身との間に少しでも距離があるうちは、私たちはまだ真理の外にいる。人生について考えていること、感じていること、望んでいること、自覚していることは、人生そのものではないかもしれない。人生の目的は神と一体化することなのである。そうなって初めて、真理は二度と私たちのもとから逃れられない。そうなったとき、真理は私たちの外側に存在するものではなく、内側に存在するものでもなくなる。私たち自身が真理であり、真理が私たち自身なのである。」(中略)正しい原則は自然の摂理であると私は考えている。正しい原則の根源、そして良心の根源は、私たち人間を創造した父なる神にあると信じている。(中略)最後に、T・S・エリオットの言葉を紹介したい。私自身の発見と確信を見事に言い表していると思う。「探究に終わりはない。すべての探究の最後は初めにいた場所に戻ることであり、その場所を初めて知ることである。」
コヴィー博士をはじめ欧米の著者の方々にはやはりキリスト教の影響が大きいようです。私はキリスト教については学んだこともなく理解していませんが、仏教については関連の本をいくつか読みましたし、私の家系も代々仏教(浄土真宗)の門徒でしたのでなんとなく雰囲気はわかります。般若心経を解説した本などで、その教えが最新の量子力学の仮説と重なっているとあり、またスピリチュアル系の考えにも重なっていると感じ、自分なりに真理が腑に落ちたと感じました。私が今信じている真理についてはこちらのページをご覧頂ければ幸いです。
コヴィー博士の友人のワーナー博士が語る「流れを変える人」になりたいと思いました。真理を探究し続け、自分が理解した範囲内であっても、それをアウトプットし、自らの手で運命を変えることができるということを少しでも多くの人が気づくきっかけになればと思います。