イット・ワークス 夢をかなえる赤い本

3冊目は成功哲学のエッセンスだけを語るRHJ(匿名)の「It Works」を取り上げてみます。
この本は1926年に発行された成功哲学では初期のものになります。
たった20数ページという短い冊子がその後何十年にわたって何百万部も売れたとのこと。未だ読んでいない方は是非読んでみてください。
私が読んだのは「イット・ワークス 夢をかなえる赤い本」RHJ著 三浦哲(訳、解説)2005年成甲書房発行の英語の原文とその解説も付いた本です。

あなたに質問します。
「欲しいものが手に入る人たち」と「欲しいものが手に入らない人たち」の2つのタイプが存在します。
それはどうしてだと思いますか?

RHJはその答えを見つけ、多くの人たちに紹介しその答えを活用した人たちが欲しいものを手にすることができたことで確信した「システム(原文では”the plan”)」をこの本で私たちも教えくれます。

(要約)
• 多くの人は不平不満を日頃口にしているだけで、本当に何が欲しいのか理解していないし、中途半端に願っているだけだから、手に入らないのです。
• 「本当に欲しいものは何なのか」をしっかりと認識することです。でも、これが簡単なことではないのです。
• まず、客観的意識(顕在意識をトレーニングして、欲しいものや状態を明確にしてみてください。
• 実は欲しいものを手に入れることは、本当は簡単なことなのです。ラジオでチューニングを合わせて聞きたい放送を聞くのと同じように、自分の周波数を欲しいものに合わせるだけなのです。あなたにもその周波数を合わせる「装置」が備わっています。
• その「装置」とは、「全能の力」であり「アラジンの魔法のランプ」のようなものです。
• その「力」は主観的意識潜在意識であり、無限の力を持っています。それは私の中にいるなのです。

そもそも多くの人は自分が本当にほしいものをわかっていないと語ります。私もわかっていなかったから何も変わりませんでした。本当に欲しいものは何なのかを顕在意識ではっきりさせなければならないのですが、顕在意識は非常に迷いやすく優柔不断なので気をつけてくださいと語っています。

私の「この世の真理」に書いた通り、潜在意識(アカシック)には過去のすべての意識が情報として記録されているので、当然ネガティブな意識も多くあります。実際によく自分を観察してみると、自分で今意図していると思っていても、潜在意識(自己バイアス)からの自動操縦(オートパイロット)で思考したり、行動したりしていることがほとんどです。五感で感知される環境からの情報は脳へ伝達され処理されると同時に、潜在意識の情報とも照合され、瞬時に過去の同種の情報と反応し行動指示が送られてきます。脳で処理するよりも早いと言われています。潜在意識(天の一部)は良し悪しを判断せず、ただ過去情報の同種なものに反応するだけなので、ポジティブにはポジティブ、ネガティブにはネガティブな反応としてこの世に戻されるので、RHJの語る通り、顕在意識は迷いやすく優柔不断なのです。

ポジティブな情報にチューニングを合わせれば、ポジティブなことを受信できると語ります。ではどうやってチューニングを合わせるのでしょうか?
また主観的意識(潜在意識)は全能の力であり、無限の力でもある神(天)だと語っていますが、これは個人の潜在意識だけではなく、他者の潜在意識(集合的無意識)を全部含めたアカシックのことを差していると思います。前のブログのワトルズがこの本よりも16年前に語っていたことと同じです。

(要約)
• たまに欲しいなと思ったり、中途半端に願ったりしているだけではその「力」と繋がることは不可能です。
• 何がなんでも心の底からまさに喉から手が出るほど強く望まなければなりません。頭も心も魂も、すべてがそれを一心に望んでいなければいけません。
どうしたらよいかは次の「システム」で説明します。

願望実現は簡単なことではありません。私の「この世の真理」でもワトルズのブログでも書きましたが、この世は相対であり必ず対極が存在します。顕在意識で意識する願望はそもそもポジティブなものですが、必ずネガティブな意識が無意識のうちに潜在意識に生まれます。その潜在意識のネガティブな意識を上回るような強いポジティブな意識を顕在意識で持ち続けなければなりません。ではどうしたらよいのか? その「システム」を見てみましょう。

夢をかなえるシステム

(要約)
• まずは、あなたが欲しいものや状況を重要な順に紙に書きだします。
思いつくまま沢山書き出し、毎日追加と削除を繰り返し、自分の気持ちにピッタリくるまで続けて「欲しいものリスト」作ります。

夢をかなえるための明確な3つのステップ
1. 1日三回、朝・昼・晩に「欲しいものリスト」を読む。
2. あなたが欲しいものを一日の中でできるだけ多く思い浮かべる。
3. あなたが欲しいものを誰にも話してはいけない。
ただし、あなたの中の「無限の力」だけにはいつも話かけること。
  • 無限の力(潜在意識)は客観的意識(顕在意識)に夢の実現方法を教えてくれるので、どうしてその方法が夢を実現させることができるのかは考える必要がありません。
  • それは土に植えた種が芽を出し茎を伸ばし花を咲かせやがて実となる自然の法則と同じだからです。
  • はじめは信じられなくてもよいので、疑いの心が消えるまで続けることが大切です。
  • ただ、顕在意識は環境の影響を受けやすいので、他人には話さず環境からの影響を避けるようにします
  • 欲しいものを出来るだけ明確に詳細に具体的にイメージします
  • そして、何かを手に入れることができたら偶然とは考えず、無限の力は本当だったと感謝します
  • 無限の力は人間の理解を超えているので、理解しようとはせず、ただ受け入れ、喜び、感謝し、信頼します。
  • しかし、この力はなんでも手に入れることができるので、ネガティブなことは望まないこと
  • 欲しいものは身の回りの小さなものからにすると手に入れやすいので、最初のうちは小さなものにして、手に入れてこのシステムが本当に機能することを実感すれば、おのずと徐々に大きなものも手に入るようになります。
  • 自分のためだけではなく、誰か他の人の手助けにもなるものも手に入れられるようになります。
  • 見返りを求めず他の人の手助けになることをしていると、自然の法則によりいいことが自分に返ってきます
  • この「システム」を受け入れることも、拒否することもあなたの自由です。選択するのはあなたです
  • この本は10倍以上に厚くすることもできますが、読んですぐに理解でき、すぐに実行に移せるよう、意図的に短くしました
  • 何千人もの人が実行して、何千もの人生をよりよいものにしていることが、このシステムが機能しているという証明です。

アレンは自らが悟った真理を「原因と結果の法則」で語っていました。ワトルズは真実と豊かになる「確実な方法」を語っていました。この本でRHJは無限の力を理解することはできなので、理解しようとはせず、RHJが実証して確信を持った「システム」をはじめは信じられなくてもよいので最初の結果が出るまで続けて、結果が出ても偶然とは考えず感謝して受け入れ信頼すればよいと語られており、単純明快です。

しかし、やはり、自分自身で腑に落ちるまで真理を探究し理解し信じられないと、ただ盲目的にこのシステムを信頼し実施続けることは難しいと思います。このシステムが間違いなく機能すると最初から信じ切れればよいのでしょうが、その原理と根拠を理解しないと信じ切れないと思います。最初は言われた通りやってみても、なかなか結果が伴わず結局続けられなくなってしまうと思います。

欲しいものとは今は持っていないものであり、願望も今は実現していないことであり、顕在意識でいくら欲しいものや願望を思い続けても、この世は相対なので必ず対極の意識(ない)も無意識のうちに潜在意識に記録されます。またどうしてもその欲しいものや願望をどうやって手に入れようかとか実現させようかとかも考えてしまうと思います。RHJはそんなことは考える必要はないと語ります。「無限の力」が実現方法を教えてくれると語りますが、それは直観やヒラメキやインスピレーションとして天の声に気づくことだと思います。しかし、これもまたなかなか気づけるものではないと思います。どうしたら天の声がよく聴こえるようになるのかを知りたいとずっと考えていますが、まだその方法はわかっていません。欲しいものリストを毎日三回読んで、できるだけ多く思い浮かべると語られていますが、これはいわゆるアファメーションのことです。アファメーションは顕在意識を潜在意識に多く記録させる方法として有効だとは思います。無意識のうちに生まれるネガティブな意識をポジティブな意識が上回れば実現可能性が高まると思います。「無限の力」(潜在意識)に蒔かれた種(顕在意識と無意識の対極)のどちらが芽を出し茎を伸ばし花を咲かせて実らせるかは、私たちにはわからないことだと考えています。私は原因(顕在意識+自由意志+行動)に天の采配(アカシックのどの情報と反応するか)が加味されて結果(実現)が生じると考えています。天はポジティブもネガティブもない絶対ですので、原因とアカシックで反応(共振・同調)するのはただ同種(波長と周波数)のエネルギー(波動)です。これが引き寄せの法則です。RHJも語るようにとにかくネガティブな意識を持たないように注意するしかありません。

でも確かにこの本の後に出版された「成功哲学本」で語られていることのエッセンスを短い文章でまとめており、成功のためにすることはこれだけなのかもしれません。RHJのこのシステム(the plan)を信じ切って実践できれば実証できるのかもしれません。何千もの人が実証したとも語られていますし。しかし、私はこの本を読んでも実践し続けることができませんでした。信じきれていなかったからだと思います。信じ切れるためには、まず先に自らの手でこの世の真理(原理原則、法則、摂理)を理解し、RHJの語ることが本当だと理解することが先だと思います。そうすれば、このシステムが有効なノウハウだと信じられ、実践を続けることができるようになると思います。

ワトルズの『富を「引き寄せる」科学的法則』が1910年の発行で、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」が1937年の発行ですので、この「It works」はちょうどその間の発行になります。ワトルズの影響も受けていたかもしれませんが、ワトルズが語った「確実な方法」から一部を抜き出して、より具体的に単純明快にしたようなものだとも思います。明確な目標を設定し、達成するという信念を抱き、潜在意識の力を発揮させるという成功哲学の最重要ポイントをまとめたものだと思います。

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